ブコメに書き切れなかったので、補足です。
私はある地方の地域包括支援センター内のある部署で相談員をしている社会福祉士です。
趣味が地域づくりなんで、災害ボランティアで復興支援をしたり、学習ボランティアで学校の課外授業で子どもたちに地域の社会資源のことを教えたりして暮らしています。
ブコメに地域包括支援センターは高齢者向けだって書いてあったので、一応言及しておきますね。
厚労省は超高齢化が進む中で、打開策の一つとして地域包括ケアシステムを構築しようとしました。
団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます。
今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要です。
人口が横ばいで75歳以上人口が急増する大都市部、75歳以上人口の増加は緩やかだが人口は減少する町村部等、高齢化の進展状況には大きな地域差が生じています。
地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要です。厚労省HPより
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/
住み慣れた地域で暮らせたら本当に喜ばしいことなんですが、今回はその地域包括ケアシステムについて深掘りするのはやめておきます。
で、この地域包括ケアシステムの実現のために全国に地域包括支援センターが設置されました。
H31年4月のデータで恐縮ですが、全国で5,167か所が設置されています(支所を含めると7,341か所)。
そこに私の職場があるのですが、地域包括支援センターに来る相談の中に8050や9060と呼ばれる高齢引きこもりなどの問題が浮かび上がってきます。
親の年金で長年引きこもっていらっしゃる方の多くが、若いときにうつ病や統合失調症を発症したり、いじめなどで不登校になってそのまま引きこもってしまったり、就職で失敗したまま浮かび上がれなかったり、軽度の知的障がいや発達障がいの診断が付かないまま大人になり社会性を身につけられなかったり、それぞれの事情は様々ですが、皆さんいろいろな理由で引きこもっていらっしゃいます。
そして親が老いて行くにつれ、外で働くことが難しくなり、収入は激減し、親の年金だけを頼りに劣悪な環境で暮らしている方の支援に入ることがあります。
こんな感じで、8050問題は具体的な実態調査がなされておらず、その都度対応、という対症療法的な支援になるのですが、地域包括のメンバーはこのような相談を受けたときに精神障がい等が疑われる場合はしかるべき医療機関につないだり、障がい者の相談員が在席しているセンターの場合はその相談員が地域の社会資源との橋渡しをします。
私も入職する前はそんなイメージでしたが、地域包括支援センターは高齢者向けの相談所という訳ではないんです。
もちろん各都道府県によってはひきこもり支援センター、発達障がい支援センター、精神保健福祉センターなどいろいろな支援センターが整備されていっています。
でも各市町村レベルになると、そこへアクセスするのが難しかったりしますよね。
ですので、まずは市町村の福祉課もしくは地域包括支援センターでもなんでもいいので、気になる親戚や友人がいたら相談をしておくだけでも、後々の役に立ちます。
何もしないでいるよりも、支援機関につないで下さい。
地域包括支援センターは各市町村にあるのでお住まいの市町村にお尋ね下さい。
誰かの役に立つといいなと思いましたので、ブコメに書き切れない記録として残しておきます。
■全国の発達障がい支援センターのリスト
■ひきこもり支援センターのリストへのリンク
■全国の精神保健福祉センターのリスト
■生活困窮者自立支援制度