地震とアスペルガー

大人になって診断が確定したAS当事者の復興の記録

僕がアドベンチャーバイクに魅せられる理由

最近はクオーターバイクにアドベンチャーブームがやってきた感がある。

ホンダのCRF250Rallyに始まり、スズキのV-ストロームカワサキのヴェルシス、あとはヤマハからの発売を待つばかり。

BMWは排気量の関係で310だけどなんちゃってGSが出たし。

 

僕が学生の頃、お世話になっていたバイク屋で「ジャンクションモーターワークス」というバイク屋があった。

店主は亡くなってしまったのだが、パリダカールラリーにメカニックとして同行している4輪も2輪も行ける凄腕だった。

犬のラスティが店番をしていて、店の奥には店主のハスクバーナBMWの80GSの40リットル以上入りそうなビッグタンクがあり、普通のバイク屋とは趣が異なっていた。

 

俺たちのパリダカ!―プライベートチームのおもしろ冒険記

俺たちのパリダカ!―プライベートチームのおもしろ冒険記

 

 上の本は店主が参加しているチームの参戦記である。文芸社なのはご愛敬。

 

当時の僕はDT200R、エリミネーターKSR-2、K100RS、ハンターカブCT110なんて拙走の無いバイク選びをしていたが、ちょっと困ったことがあるといつも相談していた。

ハンターカブを女の子と二人乗りするためにリアキャリアにシートの増設を依頼したら、リアのアクスルシャフトに回り止めを溶接したステップまで取りつけてくれて、そのちょっとした細工に感心した。

店主はパソコンが少し分からないところがあると僕に尋ねてくると言う形で持ちつ持たれつの関係だった。

店には僕のバイト仲間がホンダCRM250のメンテナンスを依頼したりと、オフ車のユーザーが多かった。

 

その中でも先輩格のスタッフが乗るバイクがヤマハのスーパーテネレだった。

アドベンチャーバイクの中でもアフリカツインとしのぎを削る名車だった。

当時のパリダカはまだ四輪では三菱勢が強く、今のように2輪でKTMが優勝するなど考えられない時代だった。

750ccのテネレは中免小僧だった僕にはとても手が届かない存在で、それを軽々操る先輩は親父の魅力にあふれており、僕がひそかに憧れていたアパレルの友人は先輩の魅力に惹かれていた。

 

そんなこんなで今よりもオフ車に乗るユーザーが周りにいて、アドベンチャーかオフ車でテンカラ釣りの道具を背負って休日は渓流をめざすという休日の過ごし方だった。

 

あるときテネレ先輩から一緒に走りに行かないかと誘われ、400のアメリカンに乗っていた僕は喜んでついて行く事にした。

コースは山間のルート。

途中の田舎道では舗装があちこちつぎはぎだらけ。

直線ならついていくのも何とかなるペースだったけれど、荒れた路面のワインディングをアメリカンでついていくのはちょっと大変だった。

余裕綽々で遙か彼方を走る先輩の後塵を拝して、いつかアドベ系に乗ってやるんだという思いがその頃から芽生えたんだと思う。

 

でも当時は限定解除に時間がかかり、大型免許を取ってもアドベ系を買えるお金があるはずもなく、レアなK100RSというBMWの格安中古車に乗っていた。

 

しばらくアドベンチャー系への願望は薄れ、モタードに興味が出たりと、相変わらずのバイク遍歴だった。

 

そしておっさんになってくると人生の上がりバイクはBMWのR1200GSだと思うようになった。R259系のボクサーに乗っていたんだが、1200GSの方が当時乗っていたバイクよりも軽いということを知らなかった。

そうGSはでかい図体の割に軽いんだよ。

昨今のGSブームに便乗するかのようにドカティのムルティストラーダトライアンフのタイガー、KTMのアドベンチャーなど魅力的な外車がたくさん出てきた。

サーキット走行を楽しむには厳しいけれど、一台だけもつというならきっとこんな外車を選ぶだろう。

 

でも最近の250は車検がないという点ではお財布にやさしく、気分だけは旅に出たくなるデザインなので、セカンドバイクとして欲しくなる人は増えるだろう。

 

しかし、いかんせんユーロ4の規制により排ガス対策のために多くの国産バイクが生産中止になった。

モンキー、セロー、SRなどなど時代を作ってきたバイクが発売を終了した。

そんな中で割と最近開発されたのが250クラスのアドベンチャー、売れないはずがないと思っていたが、バイクの人気が下火になっているせいか、思っているほど見かけない。

というか中古価格も高騰しており、さらに250のバイクが新車で買うと70万とかあり得ない金額になっているのも原因ではないだろうか。

 

そんな大金を出してもホンダのラリーはタイ製造だし、カワサキのヴェルシスもアジア製。スズキは中国だっけ?クオリティの低さは折り紙付き。

実際BMWの750GSのエンジンは中国製造の予定だったけど、品質管理が悪すぎていきなり製造中止になってるし。

実際グロムやラリーの所有者と話すとボルトの締め付けトルクがおかしいのは当たり前で、ひどい車両では斜めに入ったボルトをインパクトで締め込んでいて、ネジを切り直さなければならないやつもあったそうだ。

それでもCRF250Rallyはホンダマニュファクチャリングが監修しているせいか、デザインの良さだけは際立っている。

 

そんなバイクをみているうちに若い頃のテネレへの憧れが再燃して、アドベ系がいいなあと思うようになった。

 

会社を休んで旅に出ることはかなわなくても、日帰りツーリングでちょっとした旅気分を味わうことで気分転換できたらなと思う今日この頃であった。