こんばんはASDです。アスペの人って自信ない人が多いと思うんですけど、私はバイクのメンテナンスから自信を付けることができたので、こんなことをあえてアスペのブログに書いています。
修理とかは今ある状態からさらに高次元の状態へ状況をシフトさせるので、成功すると自信がつくし、考える力や忍耐力、そして成功したときの喜びやカタルシスが得られるという人に迷惑をかけないでできるソーシャルスキルトレーニングだと思っています。
では本題です。
昨日に引き続き、サスペンションのレビューです。
リヤにナイトロンをおごった私のグロムはトータルバランスを崩してしまいました。
そこで気になったのがオーリンズから出ているフロントカートリッジです。
最初はリヤに合わせてテクニクスにチューニングに出そうかと思ったのですが、8万円が準備出来ませんでした。
それでも何とか乗り味(操縦安定性)を改善したいと思い、ネットを徘徊しまして、タイで売られているオーリンズのカートリッジを発見しました。
GROM/グロム オーリンズ フロントフォークカートリッジキット
タイの製品を日本で売っている並行輸入品店を探して購入です。
ついでのタイガというタイ国内でアルミパーツなどを作っているメーカーの特殊工具も注文です。何故ならオーリンズのカートリッジ交換にはオーリンズの1万円以上するSSTを買わないとできないからです。
そんな特工自分で旋盤で作るわって猛者の方は別として、自宅ガレージでちまちまカスタムする私にとってオーリンズの工具と同等品を自作するのは無理です。
というわけでそんなに何回も使う工具ではないので、タイ製の工具にしました。
そして待つこと数週間。
荷物がタイから日本国内を経由して我が家へやって来ました。
オーリンズのサスは人生初なので、何かもう箱を見ただけでテンションが上ります。
確かオーストリアのメーカーなんですが、製造はどこなんでしょ?
普通に買うと6万ぐらいですが、その半分ぐらいで入手出来ました。
但しこのカートリッジにはフォークオイルが付属しません。
どんな硬さがいいのか全く検討がつかないので、オーリンズの倒立フォーク用をチョイスしました。これが結構高いんですよね。
そして特殊工具もフォークオイルも揃ったんですが、実際に作業をしようとして大変なことに気づきました。
そうバイスベンチを持ってなかったのです。
純正フォークを分解するのにフロントフォークのインナーパイプにフォークオイルが出入りする穴が空いておりそこに特殊工具をつけて回転を止めないと、フォークの中のスプリングなどが外せない仕様なのです。
その日は結局作業を中断して、アストロへ走りました。
残念ながらセールにはなっていない定価販売のベンチバイスを買いました。これが結構高かった。
そして後日時間のあるときに再挑戦です。
グロムはメンテスタンドでフロントも浮かせて、ホイール一式とブレーキキャリパーを外してから、Fフォークを取り外していきます。その前にFフォークのキャップ部分を緩めておくことをお忘れなく。
私は気づかずに外して、二度手間になりました。
そしてこのトップキャップの大きさがやたらでかくて、家にあるモンキーでは無理でした。
途方に暮れていたらマウンテンバイクのオーバーサイズのヘッド調整用スパナがぴったりでした。助かったー!
初めての人はトップブリッジに取り付けられているフォークの位置をマーキングしておくことをオススメします。
普通は突き出し量は0のようですが。。。
そしていよいよオイル抜きです。
なめてかかるとビシャっとオイルが飛んできます。赤いので少し焦ります。
シュコシュコとインナーチューブを上下させるとあらかた抜けますが、その後しばらくは放置プレイです。
その後きれいに清掃します。
インナーチューブの分解方法は他のサイトに詳しくあると思うので、ご自分に合う方法を探してみてください。
私はインナーチューブのオリフィス穴にタイガの特殊工具をあてがい、そこをベンチバイスで固定して特大の六角ネジを緩めました。
温めるとかバーナーであぶると良いとあるので、ヒートガンで熱しました。
結構べったりとネジロック剤が塗布されていますので、外れたらパーツをきれいにしておきます。
そしてまたトラブルが・・・。
何とカートリッジに同封の取説はコピーで、肝心の手順が書いてあるページがまんまありません。
仕方なくネットをさまようと、部品番号が違うけれどもグロム用の手順が載っているPDFを見つけました。
そこにはお姉さんがグロムのカートリッジ交換の手順を動画で解説してくれています。もちろん作業服を着ていますが。
一度それを見て、イメトレしてからやれば良かったです。
気を取り直して、インナーチューブ内の純正のスプリングを外していきます。
全部外したら、流用する部品をパーツクリーナーで清掃して、オーリンズのスプリングを取りつけて、組み直します。
但し気を付けなければならないのが、ワッシャーというか向きを気を付けなければならないパーツがあって、私はよく確認しないまま取りつけて、後で心配になり再度分解したら、やはり間違っていたという残念なことがありました。
スプリングの伸び側と縮み側で向きが違うそうです。
何度も組み直しをして、だいぶ慣れてきたところで、フォークオイルを入れます。
油面調整は注射器とメジャーでも行けるそうですが、初めてだったので油面調節ゲージのセットを使ってみました。他のバイクでも使う予定です。
で、規定の数値に合わせてみます。
エア抜きは慎重に、泡が出なくなったら終了かな。
あとは元通りにしていきます。
フォークの突き出し量も変えるかなあと思いましたが、まずは突き出し0mmで走れるようにしました。
作業が終わってフロントの沈み込みをチェックすると、なんだか腰があります。
言語化するのはとても難しいのですが、最後までストロークして戻りもイマイチだったノーマルに比べ、オーリンズはしなやかに動きます。
しかも入力された力に対して負けない踏ん張る要素も。
さっそく前回テストしたワインディングに行ってみました。
家の前の道路からもう違いは歴然でした。
ギャップの上で跳ねていた車体が、まるでBMWに初めて乗ったときのように路面の凸凹をなめらかにクリアしていくんです。
それはまるで魔法のじゅうたんが車体の下にあるかのよう。
うれしくて小躍りしそうです。
ワインディングでもその差は歴然。
ノーマルでは気持ちが悪いくらいにレスポンスが遅くて次のカーブに突っ込むことができなかった状態から、小気味よくハンドルを切ることができるバイクに豹変しました。
いやー、やってよかったです。
これで峠道も安心して走れます。
しかしこれ初心者にはハードル高すぎの作業です。
ちなみにオーリンズは正規代理店を通して買わないと、真面目なバイク屋さんでは作業してもらえません。もちろんそうですよね。その為の代理店制度ですから。
すべて自己責任でできる方はトライするのもありだと思います。
次は走る・曲がる・止まるのブレーキについて書いてみたいと思います。