はてブで亡くなった方のお部屋整理の話題があがっていたので、ブコメしたら意外とスターをいただけたのではてブに残しておきます。
依頼があったのは地元の同級生からでした。
1月に県外に住むご兄弟が急死したとの連絡があり、お話を伺いました。
死因は糖尿病関連死で、幸いなことにご自宅では無く搬送された病院でお亡くなりになっていました。
ただし糖尿病の悪化で、ご自宅ではおむつ生活を余儀なくされており、お部屋の整理が大変とのお話しでした。
最初は親戚一同で片付けるというお話しでしたが、成人向け雑誌やアダルトビデオなどが大量にあり、親戚には見せられないとの弁。
ならば私が今後の勉強のために遺品整理全般を受けましょうというお話になり、ご姉妹の住んでいた県外のお部屋を訪問しました。
1日目
まずお住まいの地域のゴミ収集ルールを市役所に確認します。
お住まいの自治体によって違うのですが、使用済みおむつなどは住民の出したゴミということで、産廃業者に直接持ち込んで処理することはできませんでした。
そこで亡くなった方の住所を示すことができる郵便物と親族関係が分かる書類を持って自治体のゴミ処理センターにレンタカー屋で軽トラックを借りて搬入する段取りで向かいました。
軽トラックの荷台にはホームセンターでコンパネを購入してあおりの代わりにして屋根の高さまで積載できるよう準備しました。ロープはレンタカー屋でも借りられます。
今回レンタルした軽トラックはミッションでは無くオートマでしたが、AT限定の人は借りるとき事前に尋ねた方がいいですね。あとはタバコの臭いが辛かったです。
使用済みおむつはゴミ袋にまとめられていましたが、とても軽トラック1台に乗るような量ではありませんでした。
そこでゴミ処理センターに尋ねると臨時回収という制度があることが分かりました。
お住まいの地域によってゴミ収集業者がそれぞれあり、その業者に連絡すると最寄りのゴミ収集場所までトラックを出してくれて、1台9600円ぐらいとのことでした。
そこで夕方の遅い時間を指定して、臨時回収に来ていただく段取りをしました。
これらの問合せをするときに「社会福祉士のASDですが・・・」と電話で職業を明らかにすると、窓口の人が丁寧に応対してくれました。「亡くなった方のご遺族の依頼で動いているASDと申しますが・・・。」というよりも話が早いので、資格とっててよかったなと思った瞬間でした。ただ電話の向こうで「社協のASDさん・・・。」って聞こえてきましたので、社会福祉協議会の人と間違われている可能性は高かったです。
それでも書類関係のお手伝いをするときもこの資格が役に立つとは思いませんでした。
臨時回収の時間まで部屋のゴミをとりあえず袋につめます。
袋も臨時回収の時は自治体指定のゴミ袋では無く、透明ゴミ袋で大丈夫とのことでした。
このときは100リットルぐらいの容量の袋の方が作業効率が高いです。
そして休憩時間に最寄りの郵便局で廃棄する家電製品のリサイクル券を購入します。
運送費を聞かれましたが、臨時回収ですといえばリサイクル費用だけで済みました。
そして休憩した後に、部屋に戻り衣類や雑誌をひたすらゴミ袋につめていると、ピンポーンと臨時回収の業者さんがいらしゃいました。
あおり付きの2トン車がアパートの玄関前まで横付けしてくれました。
ドライバー兼作業員のお兄さんといっしょにゴミ袋を搬出しました。
その前に捨てる予定の毛布を使って冷蔵庫などの重量物を先にトラックに積み込みます。さすがに二人いないと辛かったですね。
大物家電を積んだらあとはひたすらゴミ袋をトラックに運びます。
さすがに腰にきましたが、既に袋詰めされた使用済みおむつと今日ゴミ袋にまとめたゴミで50袋以上あったでしょうか?
尿臭まみれになりながら、なんとか積み込むことができました。
この臨時回収というシステムを前もって知ってたら、軽トラックレンタルする必要は無かったですね。
衣類も大量にありましたが、古着屋さんに持って行けるサイズでは無かったので全部捨てるという選択をご遺族がされたので、すべてゴミ袋へ。
新品に近いバッグとかあったので、ちょっともったいなかったです。
未開封の漫画などが大量にあったらしいのですが、私が片付けに参加する前に古本屋で処分なさったそうです。
1日目はこの足の踏み場のないゴミを出すことで一日が終わりました。
帰りの運転の気力を残しておく必要もあり、アパートを後にしました。
2日目
ゴミがきれいになくなった部屋で次に必要なのは掃除と臭い消しでした。
それとエアコンの処分。
少し出し切れなかったゴミがあったので、この日も夕方に臨時回収を予約して、まずはエアコンの取り外しです。
何回か経験済みなので、モンキーレンチと六角レンチ、電動ドライバーとカッターだけ持参しました。
まずはガスを回収するために冷房で運転して、ガスを大気中に放出しないように室外機に戻す作業です。
それが終わったら、室外機からエアコンの配管を外して、室内機を壁から外します。
配管に化粧カバーがついていたので、電動ドライバーでビスを外して化粧カバーも取り外します。
この時脚立がないとやばいです。背伸びをすると腰を痛めそうでした。
室内機を壁から外す作業だけは一人だとしんどいので、ご遺族の方に配管かエアコンをサポートしてもらうことで外せました。
エアコンが終了したので、次はお部屋の掃除です。
尿臭がすごいので、ケルヒャーのスチームクリーナーでまず床をスチームで洗浄しながらマイクロファイバークロスで拭きます。
それから水回り。
ご遺族の許可を取っていないので、写真をご覧に入れることはできませんが、ものすごい汚れでした。一度も洗っていないんじゃないかという水垢と皮脂で真っ赤になったお風呂。
高圧洗浄機の登場です。
洗濯機の給水栓にアダプターを付けて高圧洗浄機で汚れを浮かせていきます。
こするのはしんどいので、この高圧洗浄機がかなり便利でした。
でもユニットバスでは無く、バストイレ別だったので、トイレは別の方法できれいにしました。
トイレは便がこびりついて便器の中は真っ黒。
周囲は抜け毛で一面グレー。
まずはそうじ機で抜け毛を吸って、それからスチームクリーナー。
歩いて近づけるようになったら、まずは便器にスチーム噴射。
その後ドメストのようなトイレ洗剤をつけ置き洗いの状態にして、ブラシでこすることを繰り返します。
ある程度汚れが取れたら、捨ててもいいお掃除アフロくんを電動ドライバーに取付。
電気の力で便器を研磨しました。
ただし、汚水が顔に跳ねてくることがあるので、ゴーグルとマスクは必須です。
これでトイレもある程度きれいになりました。
台所は幸いにも自炊を余りなさらない方だったようで、お掃除アフロくんの別のアタッチメントできれいに研磨しました。
換気扇周りもスチームクリーナーで油汚れを浮かせてなんとかきれいになりました。
そしてまた臨時回収の時間。
エアコンや今日出たゴミをまとめて持って帰ってもらって終了です。
今日は前回の量無かったので、1/3の金額で済みました。
3日目
この日は掃除と片付けがかなり終わっており、手続き関係を進めました。
まずは亡くなった方が契約されていた携帯電話やドコモ光などへ連絡。
ドコモは死亡診断書など亡くなったことが分かる書類、亡くなった方の使っていた端末(SIMカード)、窓口に来る人の身分証明書を持ってドコモショップに来てくださいと言うことでした。
ただし賃貸物件でドコモ光を契約の場合光回線工事をしていたら、退去の際に光ケーブルを撤去する必要があるとのこと、解約の手続きの際に回線工事日を決めることができました。局内ではなく最寄りの電柱からのケーブル撤去が必要なようです。
理由としてはNTT以外の光回線を契約する方がいらっしゃった場合にNTTの光ケーブルが残っていると屋内のPF管を通らない可能性があるという説明を受けました。
資産価値が上がる改修であれば撤去の必要は無いのですが、その説明を受けると撤去せざるを得ない感じでした。
また後で分かったのですが、ドコモ光の場合、電話口では回収ボックスをご指定の場所に郵送するので、そこにONUを入れて返送してくれと言われたのですが、ドコモショップでは回線撤去工事の日に引き上げていくので工事員に渡してくれという説明でした。
長くなりすぎたので、今日はこの辺で。
反応があったら続きを書こうかなと思います。
最後に時系列順でやるべきことを書いておきます。
家族が亡くなってからやる手続き
- 死亡診断書の受取
- 死亡届の提出
- 火葬許可申請
- お通夜・葬儀
- 健康保険の資格喪失手続き:故人の勤務先が行ってくれることが多い。
- 戸籍謄本・住民票(除票)・印鑑証明の取得:亡くなった方が住んでいた最寄りの役所
- 世帯主変更手続き:一人暮らしの方は不要
- 公共料金の支払い方法変更・解約:各社
- 相続人の調査:公証役場
- 遺言状の調査
- 準確定申告・納税:亡くなった方の住んでいた地域の最寄りの税務署
- 遺産分割協議
- 相続財産の名義変更・払い戻し手続き
- 相続税申告・納税
- 遺留分の減殺請求:故人が財産をどこかに寄付しますとかって遺言状がなければ気にしなくてOK。
- 埋葬費支給申請:故人の勤務先の健康保険組合
- 高額療養費の支給申請:故人の健康保険組合
- 年金受給権者死亡届・年金請求書の提出:年金事務所等